価値観が交差した夜──ベトコンラーメンとスタバ
お金・家族・仲間・自立が混ざり合うディナータイム
FPとしてのお仕事を終えたあと、
50代・60代・そして初めましての38歳。
年齢も環境も価値観もまったく違う4人で、
ディナーへ向かった。
そして行き先はまさかの、
資産家のご主人おすすめ“味噌ベトコンラーメン”。
ところがこれが、びっくりするほど旨かった。
倹約家が「絶品」と太鼓判を押すだけのことはある。
ラーメンの湯気の向こうに、
それぞれの生き方がうっすら浮かび上がって見えた。
■⑴ 60代・資産家のご主人──“守るものの重さ”を背負った人
家業で築かれた資産を継ぎ、
管理を学び始めた矢先にお父様が急逝。
準備が整う前に大きな資産の舵取りを任され、
慎重で堅実な価値観を持つようになった。
無駄遣いはしない。
でも「ほんまに価値があるもの」には惜しまず払う。
今日のラーメンをご馳走してくれたのも、
彼の確かな判断と優しさや。
アリストテレスは言うた。
「幸福は心の働きによって決まる。」
倹約家というより、“心で価値を選ぶ人”やった。
■⑵ 50代・奥様──不器用な“優しさの形”
奥様は明るく自由で、どこか天真爛漫。
育ちは、成功者のご両親に大切に育てられた一人娘。
物質的にも精神的にも愛を受けてきた分、
「誰かの役に立つことで自分の存在を維持したい」
という気持ちが少し強いように見えた。
家事もそのひとつ。
相手のためにやっているつもりが、
どこかで
「自分が動けば相手は私を必要としてくれる」
という形の“優しさ”になってしまう。
支配ではなく、
不器用な愛情と寂しさが入り混じった“気立最高”。
夫婦の喧嘩が絶えへんのも、
価値観のズレが大きいせいかな?、
根っこには「愛」もちゃんとある。
そして、お子さんたちは素直でかわいい。
働かなくても暮らせる恵まれた環境ゆえに、
頑張る筋力が育ちにくいのが少し気がかり。
でも、その大きな愛情が悪いわけやない。
■⑶ 50代・私──価値観のズレを受け入れ“自分の人生を生きる”
私は夫と価値観が大きく違う。
お互いを尊重するため、
別々に暮らすという選択をしている。
そのうえで、仕事も生き方も自分で舵を切る50代。
困りすぎた時期もあった。
でも学びの深い仕事に救われ、
今は パン屋×FP という唯一無二の道を歩いている。
“四肢を使って働き、好きなことで心を満たす暮らし”。
身の丈に合った豊かさを大事にしている。
■⑷ 30代の彼女──家族も資産もないのに“人生筋力”が桁違い
今日初めて会った38歳の彼女。
家族も資産も持たない。
でも、人間力だけはズバ抜けていた。
・仲間をつくる
・状況を丸ごと飲み込む
・自分の環境をプロデュースする
・依存しない
・巻き込まれない
・でも愛される
「40代かな?」と思うほど成熟していた。
このご夫婦にとって彼女は、
“安心材料”
時にはで助けてくれる“頼れるバディ”
どちらにもなり得る存在。
Win-Winなのか?
学びか?
信頼か?
すべてYESのようで、すべてNOのよう
ただ、私には
“優秀な居候みたいな存在感”
に見えた。
■FPとしての私──感情に飲まれず“事実”だけを見る覚悟
この複雑な関係性の渦の中で、
一番身が引き締まったのは、
私が お金の相談を受ける立場 であるということ。
感情移入しない
利用されない
同情しない
正しい料金はきちんといただく
裏切り者と言われても事実を伝える
感情の渦とは距離を置く
管理・試算は“オープンな場所”で行う
まさに、その“向き合い方”が試される夜やった。
■価値観は違って当たり前。その違いを楽しめる人こそ強い
60代の資産家。
50代の不器用な優しさを持つ奥様。
不思議な38歳の彼女。
そして私。
全員価値観が違う。
でも、その違いが混ざり合った瞬間、
人間らしい深さと面白さが浮かび上がった。
たった一杯のベトコンラーメンが、
全員の心を同じ温度にしてくれた不思議な夜。
価値観のズレを恐れず、自分の軸で生きること。
今日の学びは、明日の仕事にも人生にも必ず役立つはずや。